40年以上映像業界に携わり、数々の映像作品をプロデュースして来ましたが、その中で自分の作品と胸を張って言えるものは残念ながらありませんでした。と言うのは、長く携わってきたテレビコマーシャルは、あくまでもクライアントの製品を売るのが目的であり、主導権を持っているのは当然クライアントです。またそれを請け負う広告代理店の方々の意向も強く、プロデューサーは単にそれをまとめる役でしかないのが正直なところです。
映像業界に入り、憧れであったプロデューサーの主な仕事が営業と先輩から聞いた時にはかなり落胆しました。そのことに対する疑問を感じつつも、若いうちは忙しく仕事をこなすのが精いっぱいで、他のことは考える余地がありませんでした。
時を重ね、ある程度キャリアを積んできた時、本当に世間に貢献できる映像を、無性に作りたくなってきました。ただクライアントや代理店の方々を満足させるだけのものだけで本当に良いのか?と思うようにもなりました。
21世紀になり急速に時代のニーズも変わり、映像制作の常識も著しく変わりました。これまでの受注体制に慣れすぎて、仕事を待つだけだけのプロダクションはもう機能しなくなりました。プロダクションも頭を使いオンリーONEと言えるべき個性とアイデアを打ち出すべき時が来ました。
また、昨今の新型コロナウィルスの影響でプロダクションの衰退がよりスピードアップする中、逆にリモートなどの需要で映像のニーズはより高まり、映像の必要性の声は以前にも増して聞かれるようになりました。また、誰でもかれでもユーチューバー状態で、映像の無益な使い方も目に余ってきました。
十数年前に著名デザイナーの方と日本の伝統工芸を追う映像をつくりました。そして数年前から雅楽や能など日本の伝統芸能と接する機会が多くなりました。
それらの多くは継承出来る後継者が不足し、廃業に追い込まれるものも多くあると聞きます。職人の技が途絶えてしまうのは、大きな損失です。そんな中、伝統の技を継承して行くためには映像の力が不可欠であり、それを理解し出来るものが実践する必要があることを痛感いたしました。
周りには才能がありながら埋もれているアーティストやミュージシャン、それに器用な方々が溢れています。そんな人の発表の場がどこかで出来ないものか?との思いが昔からありました。
こんな現状を踏まえ、世の中の為になるしっかりしたプロの映像を配信し、みんなが集える場所が必要であり、それを時代は求めているのでは?との考えに達しました。
2022年2月22日にオープンした「O's station(オッズステ―ション)」はそんな世間の要望を満たすスペースです。番組配信のスタジオとして、また企業様・個人様に貸し出すレンタルスペースとしての2つの用途で皆さまに親しんでいただきたいと思います。
番組配信としては当面週に2日、曜日を決めて40〜50分の番組を2本から3本配信いたします。内容は基本月替わりでお送りいたします。チャンネルは2つ、日本の伝統の「和」や和みの「和」、また強調の「輪」の意味も含めた、「和ごころチャンネル」がひとつ。また企業様と組んで若く、経営を目指す方に向けた「経営(KEIEI)チャンネル」がもうひとつ。バラエティに富んだ、魅力ある内容の番組を順々にお届けします。ご期待と、応援をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
4月より以下のように改編する予定です。
・和ごころチャンネル
毎週(月)「みんな知りたい開運の話」田中豐久
毎週(月)「観る聴く和のこころ/朗読」鳥山栞
「自愛と自己確立」川野麻衣子
毎週(土)「週末アラカルト」成世昌太
・経営チャンネル(KEIEIチャンネル)
隔週(月・土)渋沢栄一「論語と算盤」山口太郎
毎月後半にはYouTubeにアップしホームページとリンクさせます。
※全ては配信予定で、確定ではありません。最新情報はトップページでお伝えします。
数年間暖めてきたそんな思いをカタチにしたこの度オープンした「O’s station」はきっとみなさまに受け入れていただき、重宝されることと信じております。番組はGoogleなどに儲けさせるだけの仕組みに疑問を感じ、YouTube他の配信サービスを使わず、独自のサーバーにて規制もなく自由な配信をするつもりです。
番組の配信時間以外で空いている時間帯は、企業様でも個人様でも、どしどし活用していただきたいと思います。
どうぞよろしくお願い申しあげます。
株式会社 OMB 代表取締役 吉田 康